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DAY0

8月8日(金)パタヤ

海風と熱気が入り混じる夜、
パタヤの街がひとつの塊になった

日没とともにネオンが灯り始めたパタヤのビーチロードを、97台のラリーマシンがコンボイとなって進んでいく。国際自動車連盟(FIA)公認の国際ラリー「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」の30周年を記念する大きな大会が、遂に幕を開けた。

先頭を行くのは40台の二輪達。次いで2台のサイドカー、最後を飾るのは44台の四輪達だ。ライダー達の甲高い空ぶかしと、四輪マシンの低いエキゾーストノートと。ラリーの現場ではまだ主役の座に居座るレシプロエンジンのサウンドが波打ち際まで響き、夜の海風に溶け込んでいく。

だがコンボイがウォーキングストリートに入ると様相は一変した。ネオンサインと大音量の音楽がエントラント達を包んでいく。沿道にはスマホを掲げた観光客、チームの旗を振る仲間、地元の家族連れ…肩と肩が触れ合うほどの人波だ。

関係者の人数も凄まじい。アジア各国から「スタートだけでも!」と、ファンやスタッフが大挙して押し寄せ、ひと夏の邂逅を楽しむ。互いに挨拶し合い、肩を抱き合い…そこかしこで記念撮影が始まり出す。誰もがみな高揚した表情だ。ここにいる選手やメカニックが明日から灼熱のジャングルに放り込まれ、タフでハードな競技の中、激しい消耗戦を展開していくことなど、誰もが忘れているような表情だ。

そして遂に訪れたスタートの時

スタートゲートの下では強烈なフラッシュライトが選手達に浴びせられていく。ここから先は選手とクルーの晴れ舞台。ひと夏の主役となる時間帯だ。1台ずつチーム名、選手名が紹介され、ライダーが右手を高く掲げると大きな歓声が沸き起こる。四輪はもっと凄い。ドライバーがクルマの上に立って拳を振り上げれば、チームクルーも観客も大きな声援を送り出す。そして最後はスタッフ全員を集めた記念撮影。「ミッツビシ! ミッツビシ!」「 トヨタ!トヨタ!」「 レッツゴー フォーワード!! 」。大音量の音楽を容易くかき消し、ネオン輝く夜の街にひと際大きく響き渡る、地割れのようなチームコール。

チームへの愛。同胞への愛。体の芯で感じる一体感。まるで参加者とパタヤの街全体がひとつの塊になったような「真夏の夜の夢」は、夜が更けるまで飽きること無く続いていった。

さて、明日9日土曜日からは、いよいよ本格的な競技が始まる。
初日のロードセクションは165.8km。スペシャルステージは199.13km。LEG.1は合計364.9kmの行程で行われる。

次のレポートをお楽しみに!

(文/河村 大、写真/高橋 学)

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